国語科
俳句大賞 2・3学期で銀賞3名
銀賞
白鳥の声が切り裂く田舎道
第21回(令和5年度)全国りんり俳句大賞 3学期 高校の部
埼玉県立所沢西高校 安藤晴記さん▽授業担当者からのコメント
この句のポイントは、鳥の鳴き声を「切り裂く」と表現したところにあります。いまは、ネットで手軽に実際の鳴き声を聞くことができますから検索してみてください。
銀賞
新品の長靴で踏む霜柱
第21回(令和5年度)全国りんり俳句大賞 3学期 高校の部
埼玉県立所沢西高校 諸井冬樹さん
▽授業担当者からのコメント
この句のポイントは言うまでもなく、「新品の」です。霜柱が立つ寒い日に新しい長靴をおろす。新品の長靴に踏みつけられる前の霜柱もまた当然、新品です。
三学期の結果
https://www.rinri.or.jp/03expressive_education/haiku/kekka/2103nyuusyoukekka.pdf
銀賞
バスを待つ友の帽子に秋茜
第21回(令和5年度)全国りんり俳句大賞 2学期 高校の部
埼玉県立所沢西高校 松本恭佑さん
▽授業担当者からのコメント
この句のポイントは、実は「バス」なのではないでしょうか。駅のホームではなく、道端のバス停というロケーションが大事なのではないか。のどかな田舎道か、車がビュンビュン走る国道沿いか…。「アキアカネ=赤とんぼ」という季語の持つ味わいが変わってきます。
二学期の結果
https://www.rinri.or.jp/03expressive_education/haiku/kekka/2102nyuusyoukekka.pdf
俳句大賞 2年生が銅賞
第21回りんり俳句大賞 1学期 銅賞
銅賞
初めての桜見た犬走り出す
第21回(令和4年度)全国りんり俳句大賞 1学期 高校の部
埼玉県立所沢西高校 木下愛郁羅さん
▽授業担当者からのコメント
桜の花を見たからといって犬が走り出したりするでしょうか? そこがポイントです。
犬が走り出したのは、飼い主である作者のわくわくした気持が犬に伝わったからです。
つまり、今年の桜の美しさを、生まれて初めて見たかのように感じているのは、作者自身なんですね。
なぜ毎年見ているはずの桜が、初めて見るように新鮮で美しく感じられるのか。……隣に初めての春を迎えた子犬がいるからかもしれません。それとも、何か良いことがあったのでしょうか?
https://www.rinri.or.jp/03expressive_education/haiku/kekka/2101nyuusyoukekka.pdf
俳句大賞に、1年生2名が銀賞
銀賞
焼き芋の香りほのかに商店街
第20回(令和3年度)りんり俳句大賞 3学期 高校の部
埼玉県立所沢西高校 橋本佳歩さん
▼授業担当者からのコメント
大型商業施設が増えて、町の商店街にはシャッターが下りている店が目立つようになりました。それでも、昔ながらの商店街には、人と人とのふれあいが感じられます。
そのなつかしい温かみのある雰囲気が、ほのかな焼き芋の香りで表現されています。
様々な香りの中から、例えばカレーや焼き鳥ではなく、「焼き芋」を選んだ点がポイントです。
銀賞
初夢を思い出せない戻りたい
第20回(令和3年度)りんり俳句大賞 3学期 高校の部
埼玉県立所沢西高校 木村夏稀さん
▼授業担当者からのコメント
夢というのは不思議なもので、目覚めた瞬間から記憶がどんどん薄れていく。あー、なにか夢を見ていたはずなのになあ。ただ漠然とした手触りだけが、ふんわりと心の中に残っている。
せっかくの初夢なのに……。でも、多分、いい夢だったのでしょう。
「戻りたい」という言い方の切実さがポイントです。
りんり俳句大賞の詳しい結果は、以下のURLをご覧ください。
https://www.rinri.or.jp/03expressive_education/haiku/kekka/20-3kekka.pdf
りんり俳句大賞 1学期 銀賞
銀賞
春の朝大きな服に袖通す
第20回(令和3年度)りんり俳句大賞 1学期 高校の部
埼玉県立所沢西高校 小峯優心さん
▽授業担当者からのコメント
難しい言葉を使うわけでもなく、奇をてらった表現があるわけでもなく、誰でもわかる言葉で、だからこそ誰にでも共感できる出来事を、まっすぐ素直に書く。
ここに描かれているのは、ただの事実であり、出来事です。直接気持を表す言葉はありません。それでも、ありありと気持が分かる。うれしいような、くすぐったいような、不安なような……その奥には感謝の気持もあるのかもしれない。
直接には言い表せない心の中を、目に見える出来事の描写で表現する。文芸の基本です。