国際交流委員会
オーストラリアからの留学生の受け入れ
この度本校では9月2日から10月8日まで、2名のオーストラリア人高校生を受け入れることとなりました。
1年2組と2年8組に1名ずつ所属し、本校学生と一緒に授業・行事に参加する予定となっています。
生徒に留学生が来ることを伝えた際には、驚きと共に、非常に楽しみにしている様子も見て取れました。
同年代の外国人と長期間一緒に過ごす経験は、多くの生徒にとって初めての経験になります。
国際交流委員が中心となり、本校生徒・留学生双方にとって有意義な体験になるように努めて参ります。
ALTとのランチ会
国際交流活動の一環として、火曜日のお昼休みを使って本校のALTと交流会を実施しています。
お昼を食べながら和気あいあいと交流することで、楽しみながら異文化に触れることができています。
最初は緊張している様子でしたが、徐々に緊張もほぐれ和やかな雰囲気で交流することができていました。
2023年度 活動報告
今年度の国際交流委員会の活動について、ご報告させていただきます。
① ALTとのランチミーティング
本校のALTの出勤日である火曜日に合わせて、昼休みの時間にALTと生徒との交流会を催しました。
ALTとのランチミーティングでは、以下のような活動をしています。
1.テーマに沿ったトーク
2.ミニゲーム
3.フリートーク
など様々な内容の活動を行っています。
このような活動を通じて、英語を使ってコミュニケーションを取る機会を確保し、視野を広げることを目指しています。
② GLOBAL STUDIES PROGRAM
所沢高校をはじめ、複数の公立学校と共同でGLOBAL STUDIES PROGRAMへ参加いたしました。
GLOBAL STUDIES PROGRAMに関する詳しい活動内容は、こちらをご覧ください。
結果的には、最少催行人数に達しなかったものの、本校からは3名の生徒が申し込みました。
英語を使ってのディベートやディスカッションに対する関心がうかがえます。
来年度以降、更なる周知に努め、本校から更なる応募者が出るように取り組んでまいります。
③ アフリカ・ザンビア研修 報告会
今年度は本校の教諭が教師海外研修に参加しました。
ザンビアという馴染みのない国に渡航し、そこで体験したことについて、生徒と共有する機会を設けました。
生徒は報告会を通じて、様々なことに疑問を抱いたようです。
具体的には、以下のような事について、さらに詳しく知りたいと感じたようです。
①現地の学校には行事はあるのだろうか。あるとしたら、どのような行事があるのだろうか。
②義務教育の内容はどうなっているのか。
③(ほとんどの学校が制服着用であることに対して)制服は費用がかかるのにどうして生徒に着せているのか。
④とてもパワーのある国ならば、投票率はどのくらいなのだろう。とても高そう。
⑤大学などの進学先はどのくらいあって、どのくらいの人数がいくのだろう。また、教授たちはどんな人たちなのだろう。
今までは身近に感じることのできなかったザンビアですが、日ごろ接する教師が行くことで、関心を強めてくれたようです。
④ その他
ここまで挙げた活動以外にも、文部科学省が行っているトビタテ!留学JAPANに本校の生徒が申し込みました。
このように、確実に海外に対する興味・関心が高まっているように思います。
来年度以降も引き続き、生徒が国際的視野を獲得することができるよう、本委員会を中心に、教職員一体となって取り組んでいくところです。
産業教育フェアにて一日地球案内人を務めてきました!(11月11日開催)
みなさんは、毎年行われている「産業教育フェア」をご存じですか?
工業や農業、看護などさまざまな分野の専門科目を学んでいる高校生が集って、来場者の小学生や中学生へ向けてプレゼン活動や体験活動を披露する大きなイベントです。
その産業教育フェアに!なんと、普通科である本校の代表生徒4名が、参加してきました!
発表内容は、JICAさんにご協力をいただいた国際協力テーマ、「知ろう、世界の日常」です。
今回の計画ができあがってから夏に有志の生徒を校内で募集したところ、なんと即日に4名の生徒が手を挙げてくれました。「以前から世界に興味があったから」「知らないことを知れる機会だと感じたから」「海外に行ったときに、もっと世界が抱える問題を学びたいと思ったから」など、それぞれがさまざまな理由をもって参加してくれました。
しかし、ここから大変な準備の始まり。
世界をテーマに、何を、どのように、どうやって伝えていくかを組み立てていきます。
ここからのおよそ3カ月間、市ヶ谷の地球広場へいって海外青年協力隊の方のお話を伺って勉強させていただいたり、体験を通じて学びを得たり、学校で何度も会議と話し合いとプレゼンの練習をして、本番へ向けて各々が頑張っていました。もちろん、普段の勉強も学校行事も、部活も委員会活動などもあるメンバー。多忙な中で、誰一人抜けてしまうことなく、そして「どうやったら小学生や中学生に、世界の事を伝えられるか」を問い続け、たくさんのエネルギーをこの活動に費やしてくれました。
こちらは地球広場での様子。
「地球案内人」を務めるべく、モザンビークへ青年海外協力隊として派遣された経験をもつJICAスタッフの方にお話を聞かせていただいたり、広場のなかを案内していただいたりした、とても有意義な時間を過ごしました。
市ヶ谷の地球広場はどなたでも入ることができ、世界のさまざまな現状を知り、一緒に取り組むべき課題を多く共有できる体験エリアや資料、わかりやすいパネルなどが多くあります。
所西生たちは、学校の教室が再現された場所で、ノートがわりになっている板とビンの蓋を興味深く眺めたり、識字能力の大切さを示すパズルをやってみたり、日本では当たり前になっている母子手帳の大切さを感じたりと、学びの多い時間を過ごしました。入口正面の中心エリアでは、水汲み体験のバケツを代わる代わる手に持ち、その重さと何時間も運ぶ大変さを実感。世界のさまざまな場所の日常が、どんどん身近になっていきます。
広場での体験のあとは、さっそく4人で会議室を借りての今後の発表内容の方針の話し合い。
学年も部活や委員会もばらばらのメンバーですが、それぞれの高いモチベーションのもと、先輩がファシリテーションしつつ、話をまとめていきます。
最終的に学校のPC室や自宅でプレゼン資料を各自が作成し、のちに学校で合体させ、それぞれが自分の担当となっているポイントについて順番に発表をしていく、という方向になりました。そして折々にクイズや、地球広場などからお借りした体験グッズなどもちりばめて、聞き手にとってわかりやすく、より身近な内容になるように工夫します。
文化祭に中間考査に毎日の勉強にいろんなやること盛りだくさん!
そんななかで、集まれるときに集まり、スライドを練り、作り直し、また練り・・・を繰り返します。
そしていよいよ迎えた本番当日。
発表のスライドはばっちり。
JICAさんからお借りした民族衣装で世界観もばっちりの状態で、1日頑張ってきました!
場所は大宮ソニックシティの会議室。
ブースは、JICAの方々のご協力により、こんなにカラフルで素敵な雰囲気でした!!
民族衣装やいろんな国々の布、SDGsのバッジや資料、体験グッズが並びます。
ブースには、小学低学年のお子さんや、同じくフェアに参加していた高校生、他校の教職員の方や現地のスタッフの方々など、さまざまな方々にお立ち寄りいただけました。
そのようなお客さんたちに向けて、以下の流れでプレゼン発表をします。
①SDGsを知っていますか?そして、日本の順位とは。ちなみに達成度1~3位の国は?
②世界の貧困について知ろう。そして、教育と就職のつながり、学ぶことの大切さとは。
③体験してみよう!識字の大切さ(3つの瓶があります。どれがお薬?)・食べ物はいろんな国に支えられていまここにある。もし海外から食べ物を売ってもらえなかったらこんな食事に!?(日本が自給食だけになったらこんな3食!)
④助け合いってなんだろう?どうして人は互いに思いやりをもつのか。(自分が助けられた経験・日本の野菜直売所のお話)
⑤お客さんに民族衣装を着てもらい、一緒に記念写真!
朝10時頃から始まって、お昼をはさみ、午前に2つ・午後に3つの計5回。
4人ともフル回転で頑張ってくれました。
プレゼンは、その場その場で相手に合わせたり時間の調整をしながら話したりと、臨機応変に自分のやるべきことをアレンジすることが求められるもの。
今回は毎回、席に座ってくれるお客さんの年齢も人数も雰囲気も違うなか、各々が「何が必要か」を考え工夫しながら、懸命に自分たちの学びを話し続けてくれました。
あらためて、ここまで頑張ってくれたメンバーに感謝です。
ほんとうにお疲れ様でした!!
今回の活動はJICAさんのHPにも載せていただいていますので、よければこちらもご覧ください!
https://www.jica.go.jp/domestic/tokyo/information/topics/2023/1525523_14652.html
今後も本校の生徒たちの頑張りを、ぜひ応援よろしくお願いします。
JICA教員海外研修にてアフリカのザンビアに行ってきました(渡邊千恵)
こんにちは。国語科教員の渡邊千恵です。
このたびご縁があり、7月下旬に7日間ほどアフリカのザンビアで研修活動に参加してきました。以下に簡単に報告します。(あまりにも多くの衝撃があり、書けることはほんの一部ですので、ご興味のある方は機会がありましたらぜひ個人的にお話させてください!)
ザンビアでは以下のような場所を訪問・見学してきました。
①National Science Center(教員育成や教材開発を行っている国営機関です)
②ゴミ最終処分場(焼却は不可・・・ゴミが積み上げられている場所です)
③デービッドカウンダSTEM中等学校(首都にある公立の進学校です)
④ナカララ・コミュニティスクール(スラム内の私立学校です)
⑤カシシ農業研修センター(畜産・農業研究がなされています)
⑥チランガ(日本の東北にある丸森という町の伝統技術を紹介し、実践している現場です)
⑦Coner Stones of Hope(孤児支援をおこなう団体がつくった学校です)
⑧ンサンサ孤児院(上記の団体が運営する18歳までの孤児院です)
⑨ストリートチルドレンの滞在地区(滞在ホテルからたった徒歩5分の陸橋にありました)
訪問当時、最高気温24度、最低気温11度。南半球のため季節は日本とほぼ逆で、日が暮れるとダウンが必要な寒さだそうです。アフリカと聞くとなんだかつい暑そうなイメージを持ちますが、それとはかけ離れていました。
活動初日、National Science Centerという、教員養成や地域の子どもたちの実習教育、カリキュラムや教材、教育環境開発をする場所を訪れてきました。
敷地内では机を作ったり改修したりしてるところ、学校に実験機材を供給してるところ、教員や子供が講義を受けたり実習するためのたくさんの講義室や調理室、畑に養殖のティラピアの池にヤギさんのエリア…教科の枠とかあまり関係なくなんでもあり、一つの小さな村のようでした。
ここでさまざまなプログラムを受けた現地教員が、またもとの学校へ戻って、知識や技術を広げていきます。ザンビアの教育発展の要となる場所です。
写真は現地のスタッフの方々の食堂で、ご飯をいただいているところ。
手前にある白いもちもちしてるのは、シマという、とうもろこしを練ったものです。手でちぎって、おかずと手で合わせてにぎりながら食べます。おいしかったです。
活動2日目、現地の学校にお邪魔できました。ここはナカララスクール。80名近くの子供たちが通います。
英語は通じないので、手と手でタッチしたりバイバイしたり、一緒に踊って過ごしました。「チェッチェッコリ」を踊ってみたら、現地では知らない踊りらしく最初はたどたどしかったですが、何度か踊るうちにノリノリになってくれました。あとは、「幸せなら手を叩こう」も。音楽とダンスはどこでも共通言語ですね。
授業についてはたくさんの衝撃がありました。読み書きの場面は少なく、生徒たちはひたすら、先生の言ってることを繰り返します。紙とえんぴつを使う場面がなかったのですね。そして話し合いや、誰かと考える時間というものもありません。答えは先生が持ってるもの、ということが常識とされている環境です。
いま、ザンビアの教育現場には、答えを自分自身で出したり、問いに対して考える力の育成が必要とされています。
活動3日目
首都ルサカから車でしばらく走り、チランゲ郡というところにある、農村へお邪魔してきました。踊りや料理の歓迎を受けて、農業の様子を見せてもらいました。
この村は、日本の東北の町、丸森というところと提携して、ザンビアの農業開発に取り組んでいます。付加価値をどのように出すか、という経営的な知識から、大豆の加工や鶏の飼育の仕方まで、あらゆる技術や知識を日本から伝え、いま、ここの農家さんたちが自走できるように様々な人が取り組んでいます。
でも丸森自体が高齢化によりこの先持続がどうなるか、という問題も。いつか、ザンビアの方々に助けてもらう日が来るのだと思います。持ちつ持たれつ、ですね。
歓迎の踊りが素晴らしくて、教えてと言ったら踊り方と歌を教えてくれました。
活動4日目
Corner Stones of Hopes
孤児の生徒が通う学校との交流
ザンビアにはストリートチルドレンが多く存在します。親に仕事がないために養ってもらえない子、暴力から流れてきた子、親戚に預けられたものの、結局孤児になってしまった子、など。そして、ストリートで過ごすということは、もちろん食べ物は得られないし、時に道ゆく人から蔑視されることもあり、性被害に合うことも少なくなく、過酷です。すると、空腹や日々の辛さから逃れるために、彼らはドラッグを始めてしまいます。日本でいう、いわゆるシンナーです。彼らを対象に売りに来る人たちがいるのですね。
孤児たちがドラッグに走る前に、そして、盗みなどの犯罪に走らないように、まずお腹いっぱいにして、学べる場所をつくり、生きる力を手に入れてもらおうという理念のもとで建てられたのが、この学校です。中心となっているのは、ムタレ桜子ザイオンさん。日本ご出身の方です。
訪れて驚いたのは、孤児である子、孤児だったことがある子たちとは信じられないほどの、勉強への真面目さと、先生たちとの信頼感。遊ぶ時は遊び、学ぶ時は学ぶ姿勢が見えました。学校が始まるのは朝8時ですが、学校が大好きな子たちが多く、朝7時には学校に着いて、絵本などを読んでいる子がいるそうです。
英語の学習もとても進んでいます。
読み書きよりも、話す力を進める教育。ここでは、英語ができることが、仕事を得るための必須条件でもあります。
日本の英語教育について反省する場面も多くありました。
活動5日目については、書きたいことが多すぎるので、またいつか・・・
活動6日目
エウルカ
(サバンナの動物が自由に行き来する、広大な野原兼キャンプ場です)
研修最終日は、ザンビアの自然を体感する一日でした。
エウルカでは、サバンナを自由に歩き回ることができます。柵はほとんどなく、日本の動物園とは規模が雲泥の差です。ここでは気ままに動物が生息する、果てしなく広い園内のため、動物と出会えるかは運任せ。でもこの日は幸運なことに、歩いてしばらくすると、そばの茂みから悠々と子どものキリンが私たちの目の前を通り過ぎていきました。ゆったり堂々と步をすすめる姿は、神々しくもあります。茂みではすばしっこい猿たちが、餌を求めて木を登ったり降りたり、木から木へと飛び移ったり、ブランコしたり。
そこからまたしばらくは、地平線まで続くサバンナを見ながら、延々と歩くもほかの動物とは出会えず。
あちこちに立派な糞だけはたくさん落ちているのですが、主の姿は見渡してもどこにも無いのでした。
ところが、あきらめてランチに向かおうと少し歩いていたら、スタッフの方が手招き。その先の茂みを行くと、なんと、草を食むシマウマの小さな集団に遭遇。近づいても草をもぐもぐと食べるばかりで、全然こっちに構いません。おかげで彼らの美しい体の縞々模様をじーっと堪能できました。
アフリカの動物は美しい。
昔から、彼らがよく絵や布、焼き物に描かれている理由がよくわかりました。
ほんの一部ですが、それでも今回の経験を少し共有していただけたかと思います。
ここで得た大きな学びの一つは、いつか日本がもっと世界の人々とつながったとき、私たちは誇りをもって他国の人を迎えられるだろうか、という問いでした。そして、未来に一緒に働いたり、生きていくかもしれない人々が、孤児になったり危険な環境で生活していることを目の当たりにした今、この現状を忘れてはいけないし、考え続けていかねばならないと思っています。
読んでいただきありがとうございました。
渡邊千恵
☆なお、今回の私の体験や地球ひろばへの研修によって見識を広めてくれた所西生4名が、代表として11月11日に大宮ソニックシティで行われる産業教育フェアに参加してきます!こちらも楽しみです。説明会と重なっている日ですが、ご機会ありましたらよろしくお願いします。